Written by ☆Taku Takahashi(Twitter:@takudj)
もう、直球で言っちゃうけど、今すぐ『ストレンジャー・シングス3』を世の中の全員に観てもらいたい。「えー?でも『1』と『2』を観ないといけないじゃん」って思ってる人達。大丈夫。『3』から観ても大丈夫な作りになってるから。このコラムはなるべくネタバレをしないように書いてるけど、とことんスポイラーを避けてる人は読まないでね。
ザックリ言うと超能力SFモノなんだけど、謎解きの要素、そして恋愛の要素が強い人間ドラマ。舞台の設定は1985年で、近年の「80's」ブームの火付け役になった作品でもある。80年代の話だけあって『ターミネーター』『エイリアン』『アキラ』『グーニーズ』『ツイン・ピークス』『ET』『ミッドナイトラン』などのモチーフをうまく、なおかつ容赦なく入れ込んでくる。主人公は思春期を迎えた多感な子供たちなんだけど、彼らの苦悩だけでなく、傷ついている大人たちとの葛藤も凄く良く描かれている。
登場人物たちが街の異変に気付き、違う視点や場所から謎解きをしていく。4箇所くらい同時進行で物語が進んでいく「グランド・ホテル方式」だから飽きない。そして最終的にはそれぞれの謎解きが融合していくカタルシスもある。
僕がこの作品に魅力を感じているポイントをいくつかあげていこう。まずは、辛い過去を持った大人たちや、思春期で反抗期の子供たちが怪奇現象と陰謀に巻き込まれつつ、人として成長するところが、スリリングなおかつキャッチーに描かれている。そして80年代描写が徹底されているところ。知っている人は「あー!懐かしい」ってなるし、知らない人には「あー!カッコいい」ってなるようにできている。
もし今この瞬間僕が「プランク定数の数字は何?」って聞かれたら、スマホやPCですぐググれる。だけど80年代の物語となると、それを調べるのもかなりの苦労が必要。携帯電話もないから待ち合わせも一苦労だし、ピンチの時に助けを呼ぶことも大変だ。そういった中、主人公たちの絆でさまざまな難関を乗り越えていく。
そして素晴らしいのが音楽。ロックやポップスなど80年代にヒットした楽曲が良いタイミングで流れる。そして対照的に劇版サントラは全て80年代のシンセサイザーで作られている。それもメチャクチャかっこいい。
今回超ツボったのはリマールの『ネバーエンディング・ストーリー』が流れた瞬間。なんだろ、僕が言うのもおこがましいんだけど、どちらかと言うと「ダサいよね」って言われちゃう曲。いや、ジョルジオ・モロダーの名曲ではあるんだけど、照れくさい(笑)。でもかけるシーンのおかげで、うまく笑わせながら、なんか勇気をもらえる感じがして。
近年のドラマ作品って背景設定とかホントに細かくしないと、視聴者がリアリティを感じられなくなって認めてもらえないってのがあるのね。当然この作品もめちゃくちゃ細かいんだけど、同時に「80年代のイージーで素直な感じも良かったよね」って言うメッセージにも感じ取れて。あと『はてしない物語』を読んでたちっちゃかった頃の、「へそ曲がり」でない自分を思い出したり。
もちろん『1』から観る余裕がある人は最初から観た方がいいんだけど、『3』から観ても理解できるように作られてるなって思った。スカーレット・ヨハンソンっぽい新キャラが出てくるんだけど、この新キャラとのやりとりで過去に起こったことがわかるようになっているし、アメリカのドラマでは珍しい回想シーンをうまく入れて過去の辛かった体験を説明してくれる。
知っておいた方がいいのは
①ヒロインのエルちゃんが超能力で物を動かす力を持っていて、政府の施設から逃げて今は警官のチーフの家にお世話になっていること
②この街にモンスターが現れたことがあったこと
③警官のチーフは昔、自分の娘を昔失ってしまったこと
これだけを知ってれば『3』からでも楽しめるはず。
ぶっちゃけね、『1』を観た時は「あー、80’sオマージュの面白いドラマだなー」ってくらいで観てて、『2』を観てた時は「あれ?企画物として、なんかハイプに乗せられちゃってたのかな?」って思いつつ、最終話がエモくて「あ、やっぱ面白かったわ」ってなってたのね。ただ、今回の『ストレンジャー・シングス3』は最初から最後まで脚本として素晴らしかったし、凄くナイスなビタースウィートな終わり方をしたと思う。
8話で終わるし、今すぐNetflixで観るのはどうでしょ?
Netflix公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/80057281
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