今やシンセファン注目ブランドの1つとなりつつあるBEHRINGER(ベリンガー)が、自社のシンセや機材だけを利用してMichael Jackson 「Thriller」を再現するビデオをYouTubeに公開。映像中ではMinimoogを再現したBEHRINGERの人気シンセModel Dや、発売の待たれているTR-808を再現したドラムマシンRD-808などが登場。ミキサーやリバーブといった周辺機材もBEHRINGERグループの製品でセットアップ。
名曲を再現しつつ自社の製品を見せるというコンセプトの動画で、テンポよく楽しめる内容・・となるはずが視聴者のフォーカスは早い段階でズレはじめる。映像中2分56秒あたりにデモンストレーターが「(LinnDrumクローンを)どこかが作らないかな」と思わせぶりな発言をする箇所あり、待っている人も多いであろうRD-808が登場しているにも関わらず、コメント欄には存在さえ定かでないLinnDrumクローンの話題で盛り上がりだした。海外のオーディオ機材系メディアでも取り上げられ、これまでにあった噂もプラスされてか、LinnDrumクローンの開発スタートが公式にアナウンスされたかのようなヴォルテージに。
その動画がこちら。
まずは原曲中でももっとも特徴的なMinimoogのビヨビヨとしたベースラインをクローンであるModel Dで再現。慣れた手つきでサラサラっとツマミをいじって狙ったサウンドまで一直線にたどり着く様子が心地いい。まるで手足のように動かせる操作感はハードウェアのシンセサイザーならでは。肝心の音だが、フィルターでレゾナンスを上げた時のビヨビヨムニムニとした質感はmoogそのもの。丸みとエッジが共存するようなサウンドがサクッと再現されている。本物のMinimoogは中古で30〜40万円という世界なので5万円以下で買えるModel Dは当然ながら激売れ中。
続いてドラムをRD-808で打ち込み。ちなみに問題のLinnDrum発言もこのシーンで。キックのディケイをツマミでちょちょっと下げて、一瞬で原曲に近いタイトなバスドラを作ったかと思うと、808伝統のステップシーケンサーで即座にドラムパターンが組み上げられる。808の実機がいつまでも人気なのはサウンドもあるけど、この操作感がもたらすドラムを組む楽しさもあるように思う。いつまでもドラムパターン作っとける。
その上にBEHRINGERの人気アナログシンセDeepMind 12でパッドを足し、ギター(と犬の鳴き声も)を足すとあっという間にMichael Jackson 「Thriller」のトラックに。
わずか数分でサウンドの質感はかなりソレらしい音になり、最後に「いやいや、ムーンウォークはだめだよ、やらないよ」と自分でムーンウォーク振りをしたうえで、ムーンウォークを披露する微妙な小芝居で動画は終了。
さて、動画内でのもう1つの話題、LinnDrumクローンが出るのかという件について。最も詳しいまとめを出した思われるのがこちらのSynth Anatomy。これまでの噂などからまとめられた詳細なスペック情報まで記載されており、なんだか本当にリリースされそうな雰囲気。ネット上の書き込みでも、もはや驚きよりも「やっぱりきたね」「まあ次はそこだろうな」と当然の流れとして受け入れられ始める。
この状況に危機感を覚えたのか翌日に同サイトにて公式BEHRINGERが「今のところLinnDrumクローンの開発予定はない」とキッパリ否定。
噂のベリンガーTR-808クローン「RD-808」、3万円代で2019年3月発売か!? NAMMにて新情報到着!
https://www.gearnews.com/behringer-teases-a-linndrum-clone-in-a-video-recreating-michael-jacksons-thriller/
https://www.musicradar.com/news/behringer-recreates-the-sounds-from-michael-jacksons-thriller-and-teases-a-linndrum-clone