バンクシー、新作で環境汚染に警鐘を鳴らす! きっかけは地元住人からのある提案だったことが話題に

風刺画が描かれた街では現在、保全のための対策も…。
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2018.12.24 06:00

今秋、オークション会場でのシュレッダー事件で大いに注目を集めたイギリスの覆面アーティスト、バンクシーが新作の風刺画をイギリス、ウェールズの工業都市ポートタルボットにある工業地帯に描き、自身のInstagramで公開したことが話題になっている。


描かれたのは舞い散る白い雪でなく白い灰


 “季節の挨拶”とキャプション部分にメッセージがつけられた動画では、クリスマスソングが流れ、あたかも舞い散る白い雪に喜ぶ子供の姿が壁面に描かれているように見えるものの、その側面の壁には焼却炉が描かれており、実はその雪は焼却炉から発生した白い灰だったというオチつきのものになっている。 ポートタルボットは、鉄鋼業が盛んな街であるものの、以前からそれに伴う環境汚染問題を抱えており、バンクシーのInstagramのコメント投稿欄には「この街を汚染以外で有名にしてくれてありがとう」といったものから「汚染を説明するのにこれ以上いい方法はない」というような好意的なコメントも見受けられる。




風刺画制作のきっかけは地元住人からの提案  


BBCによるとこの風刺画が描かれたのは、地元住人のGary Owenという男性からの提案がきっかけとのこと。彼は今年8月にバンクシーに対してInstagramからポートタルボットの環境問題をテーマにした風刺画を描いてみてはどうかと提案。バンクシーからの返信はなかったものの、今回それが実現した形だ。また現在、街には風刺画を一目見ようと多数の人々が押しかけており、先述のInstagramコメントを地でいくかたちで注目を集めているようだ。 


風刺画保全のためにフェンスなどが設置される  


バンクシーの風刺画はこれまでに地元イギリスのほか、世界中で発見されているが、中には保全されず街の美化のために消されたものも少なくない。しかし、今回の風刺画が描かれたガレージの所有者であるIan Lewisは、それが壊されたりすることを恐れて眠れない日々を過ごしていたと語っている。 そういった現況を踏まえ、地元の評議会は、風刺画を保護するためにフェンスやプラスティックのカバーがつけることを決定。保全のための対策が行われたことも話題になっている。




未だ注目されるバンクシー=3D説 


なお、音楽業界でもその正体がMassive Attackのメンバー3Dであるという噂があるため、よく知られた存在であるバンクシー。Massive Attackは、今年、彼らのクラシック『Mezzanine』をDNAデータにし、塗料化した『Mezzanine』スプレー缶を発売。その際、3Dはバンクシーと思われる人物についてもコメントを行なっており、バンクシー=3D説をネタにしていた。



 written by Jun Fukunaga

source:

https://www.bbc.com/news/uk-wales-46634242

https://www.bbc.com/news/uk-wales-46659409

https://www.facebook.com/massiveattack/posts/10156714701359257


photo: Reuters.co.jp Twitter




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