Massive Attackの3Dが正体だと噂されるバンクシー、移民がテーマの新作を描く

6月20日の「世界難民の日」以降に描かれたとされる新作がパリ市内に6点出現したことが話題に
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2018.06.27 02:00

昨年、ドラムンベースプロデューサー/DJのGoldieが「正体は、Massive Attackの3Dだ」とする発言が、世界の音楽シーンで注目を呼んだイギリスの覆面グラフィティアーティストであるバンクシーの。その彼の最新作がパリで発見された。



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バンクシー新作グラフィティがパリに出現  


発見された新作グラフィティのひとつは、パリ北部のポルト・ドゥ・ラ・シャペル(Porte de la Chapelle)地下鉄駅付近にあり、6月20日の国連が定める「世界難民の日」以降に描かれたものとみられている。 


そこでは発見されたグラフィティでは、黒人の少女がナチス・ドイツのシンボルマークであった鉤十字をピンク色の模様で描き消しているようなものになっている。同地区は移民や難民が路上で寝泊まりすることも多い場所だった。




しかし、Twitterで検索したところ、現在はそのアートには新たに何者かによって青い塗料で落書き的に上書きが行われている模様。


新作は6点、中にはナポレオンをモチーフにしたものも  


またAFP通信によるとパリ市内では同じタイミングでほかにもバンクシーのものと思われる新作グラフィティが6点発見されており、その中には有名なナポレオンの肖像画『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』にイスラム教徒のブルカを着せたように見えるものや、1968年5月10日に同地で起きた、民衆の反体制運動とそれに伴う政府の政策転換を目指した運動をきっかけに起きた「五月危機」をモチーフにしたものなども存在する。




今回のバンクシー新作は、フランス政府による移民や難民に対する取り締まりを批判したものとみられているものの、artnet newsによると、現時点では普段と違い、自分の作品だとして公式サイトでの発表はなく、また新作には署名が入っていないとのこと。  


フランスでは2015年、難民キャンプ内にシリア移民の父を持つ故スティーブ・ジョブズ故をモチーフにしたグラフィティがバンクシーによって描かれたことも話題になっていた。 


音楽界とも繋がりが強いバンクシー 


バンクシーは、これまで自身のアート作品である期間限定のテーマパーク「ディズマランド」に、ライヴアクトとして先述のMassive Attackを出演させたり、「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」のオープニングパーティーではElton Johnに遠隔操作でピアノ演奏を依頼するなど正体はさておき、音楽界とも繋がりが強い。



新作ドキュメンタリー映画『バンクシーを盗んだ男』国内公開  


なお、そんなバンクシーをテーマにした新作ドキュメンタリー映画『バンクシーを盗んだ男』が今年8月に日本でも公開。作品の舞台はパレスチナとなり、「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」についても触れらる模様。ちなみに同作のナレーションはIggy Popが務めることにも注目したい。



今回の新作グラフィティ登場で、再び彼のことが気になりだした人は公開を控える映画も是非お楽しみに。 


written by Jun Fukunaga 


source: 

https://news.artnet.com/art-world/banksy-paris-1308641

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E6%9C%88%E5%8D%B1%E6%A9%9F

http://www.afpbb.com/articles/-/3179857

http://banksy-movie.jp/ 


photo:

Independent Arts Twitter



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