昨年は80万人のBandcampユーザーが参加し、ユーザーの支払い総額は4000万ドルにものぼったというアーティスト支援のためのイベント「Bandcamp Friday」。本日5月7日から24時間に渡り開催されるBandcamp Fridayは、現在発表されている情報によると最後のBandcamp Fridayになる。
それを受けて、block.fmではライターがこの機会にチェックしておきたいリリース作品を5つピックアップ。今回は、UKの新鋭ラッパーによるエモグライムなトラックから、フレンチタッチにも通じるインディ・ディスコ、都会の夜の情景が浮かぶチャイニーズラップからまさかの大ネタブートレグまでおすすめリリースを紹介していく。
ロンドンのアンダーグラウンドコレクティブ「LOVE SEPT」に所属する新鋭UKラッパー、HEN$HAWの最新曲は、以前リリースされたキラーチューン「LOWKEY」を彷彿させるエモグライムな1曲だ。
「LOWKEY」よりもUKG/2stepsさが増したビート感とエモトラップの直系のアコースティックなギターループに加え、UKサウンドシステムカルチャーの流れを汲んだかのようなベーシーな低音にも注目したい。DJプレイでも使い勝手が良さそうなので、UKG/2stepsスタイルの飛び道具としてもおすすめ。
「L.I.E.S.」や「PAN」などからのリリースで知られる上海拠点のプロデューサー、Tzusingが最近立ち上げたレーベル「Sea Cucumber」のカタログナンバー1番。
ダンスフロアなライクな音楽にフォーカスし、地域や特定のジャンルに限定することなく作品をリリースすることをコンセプトにしたレーベルの記念すべき1stリリースとなるAsync FigureのデビューEP『Figure I』からの先行曲はタイトル通り、スリリングなFM音色によるシンセが印象的なブレイクスになっている。野太く響くベースの重低音もまさにフロア直撃な感じ。本曲ほか2曲が収録されるEPは6月23日にリリース予定。今後、人気が出そうなレーベルとアーティストだけにこのタイミングでいち早くチェックしておくべし!
80sシンセポップ、ディスコ、ファンクからアニメまでの影響を公言しているオランダ拠点のプロデューサー、Shookによる1曲は、AOR的なピアノとファンキーなシンセが絡むキャッチーなインディ・ディスコ曲。
Justiceの「D.A.N.C.E.」を彷彿とさせる曲中盤の子供ボーカル使いや、Breakbotにも通じるモダン・ディスコ感がある曲だけにフレンチタッチなエレクトロ好きには特におすすめだ。同曲を収録した同名のアルバムも6月9日にリリースされるので、そちらもあわせてチェックしよう!
香港を拠点に活動するアーティストのFotan LaikiとラッパーのTakeemが、ロンドンを拠点とするプロデューサー/シンガーのOrgan Tapesを迎えたコラボ楽曲。
都会の夜の情景が思い浮かぶエモなチャイニーズ・ラップ曲は、Fotan Laikiも制作に関わったMVも公開中。香港映画界の巨匠、ジョニー・トー監督の過去作品にインスパイアされた映像は、香港の夜の街を舞台にしたアクションと地元のジョークを織り交ぜた香港映画ライクな仕上がりで必見。個人的には漫画『九龍ジェネリックロマンス』を読む時のBGMとしても聴くのをおすすめしたい。
Night Tempoも公式フューチャーファンク化していた和モノレアグルーヴ、1986オメガトライブ「君は1000%」をTREKKIE TRAXのSeimeiがブートリミックス。
"Tech Trance Bootleg"というリミックスタイトルどおり、テッキーかつトランシーなサウンドは、クラブのピークタイムで大爆発を誘発しそう。今月の「俺ならDJプレイされたらぶちアガる」賞受賞作品です。
written by Jun Fukunaga
photo: Bandcamp Twitter