黎明期の国産ポストロック/インストバンドムーブメントの一翼を担った伝説のインストゥルメンタル・エレクトロニック・バンド、ALL OF THE WORLDによる13年ぶりの3rdアルバム『lull』より、「Depicting」のドローン映像によるオーシャンビューなMVが公開された。
サカナクションの山口一郎がリファレンスソースとして「ひとつの基準」と公言、廃盤後の中古市場では法外なプレミア価格が付けられるなど、知る人ぞ知るマスターピースとなった1st『the dance we do』、デトロイトテクノを始めとしたノスタルジックなダンスフロアへの拗れた愛が甘く刹那に響く2nd『Finesse』を経てリリースされた『lull』。
先行シングル「Walls and a Ceiling」を皮切りに、今では普遍化されたダンスミュージックへのアプローチにもかかわらず、過去作でも垣間見せていたドライな距離感とフレンドリーなメロディラインによる独自のバランス感覚は健在。13年という文脈の途切れを感じさせない、希望に満ちた世界へのアップデートを予見させる作品となっている。
ミックスはこれまでの作品と同じく中村佳穂BANDやレミ街で知られる盟友、荒木正比呂が担当。マスタリングはPole名義でも知られるベルリン・ダブのアルチザン、ステファン・ベトケが重厚な音像に仕上げた。アートワークは美術界期待の新人アーティスト上野英里がパンデミック下でのBLMのデモ行進を力強く描き、MVは同レーベルのインストバンドegoistic 4 leaves「10」で知られるpublistaがプロジェクターを巧みに使ってモノクロームの世界を表現。
9月には地元名古屋でのリリースイベントも予定している。
アーティスト名:ALL OF THE WORLD
6/23発売 アルバムタイトル:lull
品番:DQC-1651
形態:CD/Digital
POS:4543034051281
税込価格:¥3,300
レーベル:THANKS GIVING / SPACE SHOWER MUSIC
ジャンル:エレクトロニック
収録曲:
01. Walls and a Ceiling (5:39)
02. Click (4:44)
03. Depicting (5:10)
04. No Guitar (3:16)
05. Potara (4:35)
06. In the Cut (4:18)
07. New Era (3:48)
08. Tryal (6:03)
ALL OF THE WORLD
2000年結成。早くからPCを導入し、USオルタナ~Lo-Fiを通過した手作り感覚溢れるバンドサウンドに加え、精緻でメロディアスな音響的要素との融合を高次元で獲得。瑞々しく斬新なサウンドはポストロックの新たな地平を感じさせた。2004年に1stアルバム「the dance we do」をリリース。インスト作品としては異例のロングセールスを記録し、サカナクションの山口一郎にも影響を与えた。2005年よりメンバー土江によるソロプロジェクトSKREW KIDも始動し、これまでに3枚のアルバムをリリース。2008年にはダンスミュージックを大胆に取り入れた音楽性へシフトした2ndアルバム「Finesse」を発表。これまでにtoe、9dw、mono、Dry&Heavy、□□□、東京ザヴィヌルバッハ、Buffalo Daughter、Pole、Akufen、Vladislav Delayなど国内外のアーティストと共演。以後、2018年に前身バンドHelicopterのベスト盤をカセットテープで限定リリースする他は表立った活動はなく、2021年パンデミックの中、突如13年ぶりの3rdアルバム「lull」をリリース。