オールジャンルに精通するDJとして知られているのがTJOだ。DJに興味関心を持つ人であれば、知らない人はいないといっても言い過ぎではないほどの存在感を持つことでも有名だ。次の時代を切り開くほどの実力の持ち主とも言われるほどの人物であるだけに、常にその一挙手一投足には注目が集まることになる。
TJOはDJ界に生きるミュージシャンやアーティストにとっては、神様的存在として知られている。その優れた歌唱力やマイクパフォーマンスもさることながら、視聴者の心を一瞬にして虜にしてしまうほどの立ち振る舞いにも定評がある。TJOがここまでの注目を集めているのは、オールジャンルの音楽に秀でていることに起因していることは間違いないだろう。エレクトロミュージックはもとより、ハウスミュージックやR&Bなどのジャンルの音楽でも容易にこなしてしまう。自らのことをオールジャンルプレーヤーなどと称するアーティストやミュージシャンも少なくないが、TJOと比較した場合、足元にも及ばない。どんなに、その実力の大きさを認められ、褒め称えられたとしても、決しておごりを見せることなく突き進んでいくのがTJOの真骨頂であり、その姿勢には何の戸惑いも迷いもないといえる。
もはや、世界の音楽シーンを語る際に、必要不可欠な存在とも言わしめるようになったTJOは、フランスのパリで産声をあげた。日本とイギリス、タイの3カ国の血を引いて生まれたことも、少なからず彼の音楽に影響を与えているのかもしれない。生まれながらにしてグローバルな視点や発想を持っていたとでも言いたくなる。5歳で日本に生活の場を移すことになるが、幼いうちから音楽には興味を寄せていたことでも知られる。オールジャンルに精通するようになったのも、幼少期からの音楽への思い入れがあったからこそなのかもしれない。
DJ界で大活躍するTJOだが、本格的な音楽活動をするようになったのは、2000年代前半である。Kyoto Jazz Massiveの沖野修也が主催を務めるイベントである「Tokyo Jazz Meeting」ではフロントアクトという大役を務めあげるなど、徐々に頭角を現すようになった。オールジャンルに精通するアーティストとしての片りんを見せ始めるのも、この時期からだ。そして、その活躍ぶりについては、海をこえて瞬く間に全世界を駆け巡ることになった。「さまざまなジャンルを縦横無尽に駆け巡る」という賞賛の言葉をかけられるようになっていったのもこの頃からだ。
TJOがジャンル不問の活躍を見せていることについては、さまざまなアーティストやミュージシャンに刺激を与えていることはいうまでもない。DJ界を牽引することにとどまることなく、ありとあらゆる音楽ジャンルに挑戦する姿には、音楽関係者の多くが敬意を表している。当の本人であるTJOにとってみれば、自らの目指す音楽を追求することに少しの余念もない。オールジャンルプレーヤーといわれることにも、何の名誉も感じていないのではないだろうか。ただひたすらに自らの作り出す音楽を磨き上げていくことだけに没頭してきたといえる。
もはや、グローバルに活躍するTJOだが、日本の音楽シーンにも度々のように登場している。とりわけ、南青山や代官山などのファッショナブルな街では多く、その姿を見ることができる。PUMA presents 「redbook」にも大きく関わったことも、TJOの存在感の大きさを日本に根付かせることになったといえるだろう。従前の日本の音楽シーンでは見られないほどの衝撃的なアクセントとなったことはいうまでもない。活動の中心を日本に置いた彼の今後の活躍から目が離せない。
written by 編集部
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