2021年上旬に最新モデル「Live 11」がリリースされるAbletonの人気音楽制作ソフト「Live」。Live 11は、コンピング、MPE対応、「Hybrid Reverb」などの新デバイス、入力音のテンポを検出してLiveのテンポを自動調整するテンポ追従など現行のLive 10にはない新機能が追加されているが、トラック毎にCPUメーターが搭載されるなどUIも現行モデルから刷新。Liveユーザーとしては、発売が楽しみなモデルだが、その前に現行のLive 10をより使い倒しておきたい。そう考える人も少なからずいることだろう。
そこで今回は、制作に関わるテクニックをいくつかご紹介…と考えたが、あえて、それとはまた一味違ったLive 10の楽しみ方として、自分好みのUIに変更する方法をご紹介したい。
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Live 10では、デフォルトのUI”テーマ”以外に4つのテーマを加えた5つのテーマをユーザーが自由に選択できるのだが、実はこのテーマ、サードパーティの「Ableton Theme」というサイトで公開されているオリジナルのテーマをインストールすることで、より個性的なテーマを自身のLive 10に導入することができるのだ。
「Ableton Theme」では、様々なテーマが公開されており、ユーザーはアカウント登録することで、それらの公開されているテーマから自分好みのものを無料でダウンロードして使用することができる。
公開されているテーマは、例えば音楽サブスクサービスの”Spotify”のカラーリングを模したものや、Logic、FL Studioのような他社メーカーのUIのカラーリングを模したもの、さらにはHatsune Miku、NIのMassive X、Mac OSXのダークモードを模したものまで多岐に渡る。
これらのテーマは、ウィークリー、マンスリー、全期間の人気テーマランキングや「FEATURED」としてピックアップされるおすすめテーマとして紹介されるほか、最新のもの、古いもの、ダウンロード回数による人気や、テーマの明るさ、暗さ、カラーリングなど検索条件を設定することでソートできるなど、ユーザーとユーザー好みのテーマをマッチングさせる仕組みも用意されている。
では、実際にどうやって「Ableton Theme」で見つけた自分好みのテーマを自身のLive 10にインストールするのか? という話に移ろう。やり方自体は非常に簡単でまずダウンロードした「.ask」ファイルを所定のファイルに入れるのみ。
Macの場合:
1. Macの中にあるLive 10(*所有しているバージョン 例:Suite)のアイコンを右クリックし「パッケージの内容を表示」を選択
2.「Contents」フォルダ→「App-Resources」フォルダ→「Themes」フォルダの順で開く。
3. 最後に開いた「Themes」フォルダに「.ask」ファイルを入れる。
*参考動画
Winの場合:
1.「ProgramData」を開き、Ableton「フォルダ」を開く。
2. 「Live 10(*所有しているバージョン 例:Suite)」フォルダ→「Resources」→「Themes」フォルダの順で開く。
3. 最後に開いた「Themes」フォルダに「.ask」ファイルを入れる。
これらの作業が終わったのち、Live 10の環境設定にインストールした「.ask」ファイルのテーマが追加され、変更可能になる。
このようにして、デフォルトで用意されているテーマ以外を利用できるようになるのだが、「Ableton Theme」では、公開されているテーマ以外にも自分好みのテーマに自作したり、既存の公開テーマをリミックスすることもできる。
1. サイト内の「EDITOR」ページを選択。
2. Live 10にあらかじめ用意されている5種類のデフォルトテーマからベースとなるものを選択。
3. ベース画面がサイト内に表示され、Live 10のアレンジメントビュー、セッションビューなどカラーリングをカスタマイズ変更したいものを選択する。カスタマイズできるのは、Live 10の再生ボタン、波形、サーフェス、グリッドライン、ブラウザバー、トラスポートなど。
4. 作業が終わればセーブ。その際にプライベートにするかパブリックとしてサイト内で公開するか選択可能。
5. ダウンロードをクリックして「.ask」ファイルを作成。それを”インストールしたテーマに変更する方法”どおりに自分のLive 10に追加する。
1. サイト内の「FEATURED」、「BROWSE」、「CHARTS」で公開されているテーマの中から好きなテーマを選択
2. テーマが表示されたらリミックスを選択
3. 「テーマを自作する場合」と同じエディター画面が表示されるので、その中から自分がリミックスしたい部分のカラーリングを変更する。
4. 作業が終わればセーブ。その際にプライベートにするかパブリックとしてサイト内で公開するか選択可能。
5. ダウンロードをクリックして「.ask」ファイルを作成。それを”インストールしたテーマに変更する方法”どおりに自分のLive 10に追加する。
Live 10ユーザーでいつものUIとは違う自分好みのテーマを使って、音楽制作をしたいという人は本稿を参考に是非、一度「Ableton Theme」を使ってみてはいかがだろうか? 自分好みのテーマならきっと制作時の気分も普段よりアガるはず!
*「Ableton Theme」は公式にサポートされたものではなくサードパーティとなるため、使用する場合は自己責任でお願い致します。
written by Jun Fukunaga
photo: Ableton Theme