人気音楽制作ソフトを販売するAbletonが「エレクトロニックミュージックのキック概論」というキックドラムを特集する記事を公開した。
この特集ではエレクトロニックミュージックの肝であるキックドラムの歴史について、関わりの深いアーティストや楽曲を例に挙げながら初期のドラムマシンのキックの解説や発展に触れるほか、専門家によるキックドラムのミキシング、チューニング方法なども紹介するなど、音楽クリエイターにとって興味深い内容が目白押しになっている。
また特集は座学的なもので終わらず、特集で学んだことを実践するためにLive 10向けのプロジェクトとキックドラムのサンプル集を無料で配布されている。
プロジェクトでは、Operator、Drum Buss、SaturatorなどのLive 10の内部プラグイン、エフェクトを駆使して作られたキックドラム用のトラックが複数用意されており、ユーザーはそれらのトラックを使い、キックドラムに関する知識を深めていくことができる。
またサンプル集は、先述のキックドラム用トラックで作られたサンプルを多数収録。そういったワンショットのサンプルを例えば、Live 10のSimler、Samplerに取り込んでアレンジしながらキックトラックを作っていくのも良いだろう。
個人的に特集で秀逸だと思ったのは、特に「デジタルのキック」に関するくだり。”周波数変調(FM)を少し適用するとキックのすばらしい追加要素になり、キックを際立たせたり、キックで楽曲を特徴づけたりすることができる”といったテクニック面の解説も、これから音楽クリエイターとしてスキルアップしたい人には制作面でのお役立ち情報になりそうだ。
その例として挙げられているAutechreの「Tilapia」もクールなトラックなので、興味を持った人は特集とともにリファレンス曲もあせてチェックしておくとより理解が深まるだろう。
Abletonによる「エレクトロニックミュージックのキック概論」はこちらのリンク先にて。
written by Jun Fukunaga
source: https://www.ableton.com/ja/blog/drop-it-kick-electronic-music/
photo: Ableton