伝説のヒップホップ/R&Bグループ「フージーズ」のメンバー・Wyclef Jean（ワイクリフ・ジョン）
1990年代半ばに男性ラッパー2人と女性歌手一人から成るヒップホップ/R&Bグループ「フージーズ」が大旋風を巻き起こした。その後、女性メンバーのローリン・ヒルは世界的歌手としてますます名声を高めたが男性ラッパー2人のその後はあまり知られていない。その内、Wyclef Jeanのその後を紹介する。
Wyclef Jeanの生い立ちとフージーズ時代までの活動
Wyclef Jean（ワイクリフ・ジョン）は、アメリカではなくドミニカ・キューバの付近にあるカリブ海の国・ハイチにて1970年に生まれた男性アーティストである。ただハイチで過ごした時間は短く、9歳の頃に一家でアメリカのニューヨークに移住し、ブルックリン地区やハドソン川の西側にあるニュージャージー州のニューヨークに近い場所にて育った。その後、Wyclef Jeanの従兄弟にあたるPras(ハイチ人)、ニュージャージーの学校で出会ったローリン・ヒル（アメリカ人）と共に、フージーズ（Fugees）というヒップホップ・R&B系トリオを結成。下積みを経て1993年に世界的なレコード会社との契約を締結し、シングル曲「Boof Baf」デビューし、翌1994年2月にはファーストアルバム「Blunted on Reality」をリリース。ただ、このファーストアルバムは一部では高い評価を受けつつも売り上げ的には不調に終わったため、音楽性を変えて新しいプロデューサー陣を迎えて2ndアルバムを制作することに。
そんな中、1996年1月にリリースした2ndアルバムからの先行シングル「Fu-Gee-La」が全世界でまずスマッシュヒット。そして、翌2月に発売された2ndアルバム「The Score」は全世界の主要国でチャート1位を獲得する大ヒットを記録し、日本でも大ヒットする中、安室奈美恵が大好きなアーティストとしても話題になった。なお、フージーズのセカンドアルバム「The Score」の全世界売上は最終的に1500万枚を超えたことが判明している。そんな世界的メガヒットを記録した「The Score」は翌1997年2月開催の第39回グラミー賞にてまず最優秀ラップアルバム賞を受賞した。さらに1996年5月にリリースしたシングルカット曲でアメリカの往年のヒット曲のカバー「Killing Me Softly」にて最優秀R&Bパフォーマンスグループ賞を獲得したことにより、世界トップクラスのヒップホップ・R&B系グループにまで成長する。しかし、1997年からはメンバーそれぞれのソロ活動が忙しくなり、フージーズはそのまま実質的な解散となり、伝説のアーティストとなった。
1997年以降のソロ活動
1997年からソロ活動に専念するようになったフージーズの各メンバー。そのうち、唯一の女性メンバーであったローリン・ヒルは1998年リリースのファーストアルバム「The Miseducation of Lauryn Hill」が全世界で1000万枚を超えるセールスを記録したことでソロ歌手としてブレイク。さらに翌年の第41回グラミー賞では11部門にノミネートされて5部門を受賞をしたことにより、世界最高峰の女性R&B歌手の一人と称されるほどの存在になった。一方、Wyclef Jeanは1997年にファーストアルバム「The Carnival」をリリース。そして、このアルバムは受賞はならなかったものの翌1998年の第40回グラミー賞にて見事に最優秀ラップアルバム賞ノミネートを果たす。さらに1998年1月にシングルカットされた「Gone till November」はローリン・ヒルが沢山の賞を受賞した1999年2月開催の第41回グラミー賞にてベストラップソロパフォーマンス賞にノミネート。このようにWyclef Jeanもローリン・ヒルも負けじと活躍する。なお、2004年にはCDのリリースはなかったものの短期間ながらフージーズは一時的な再結成を果たしている。
近年のWyclef Jean
近年のWyclef Jeanは、音楽活動においては目立った活動や大きなヒット作品は出ていないが、高い影響力をいかして幅広い活動をしている。2010年にハイチ大統領選挙に立候補したことや、ハイチ居住歴が短いことが原因で結局受理されなかったことは日本を含めて世界中で大きく報道された。
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Written by 編集部