1969年生まれのTiestoは、1997年からコンピレーションアルバムをリリースし続け、2000年リリースのSarah McLachlanの楽曲で全英チャート3位を獲得。2002年には世界NO.1DJの称号を獲得し、その後はグラミー賞にもノミネートされ、圧倒的なTiestoブランドを確立した。
トランスのダンスシーンで世界に誇る最も有名なDJの一人であるTiestoは、ベルギー国境に近いオランダで生まれた。1997年にBlack Hole Recordingsというレーベルを立ち上げて、「Magik」と「In Search of Sunrise」をリリース。同じくDJ界の頂点に立つフェリー・コースティンと伝説的ユニットのグリエラを結成して成功させている。2000年にSarah McLachlanをフィーチャーした「Delerium - Silence ft. Sarah McLachlan」が全英3位になり、トップDJとしてブレークスルーした。「Silence」はトランスならではの開放感のあるサウンドが響き渡り、爽快で美しく聴き心地の良い一曲だ。
TiestoのDJとしてのキャリアは、トランスがベースになっている。2001年にはアルバム「In My Memory」をリリース。2002年にはイギリスのエレクトロミュージック界では有名なDJ Magazineで世界トップDJに選ばれ、その後3年間もその地位を守った。
2004年には夏季アテネオリンピックのオープニングセレモニーで選手入場の際に、オリンピック史上初めてのDJプレイを披露した。Tiestoの勢いは止まらず、2007年にアルバム「Elements Of Life」をリリースするとEDMチャート1位を獲得、アメリカのBillbord Top Electronic Albumsに選ばれて、グラミー賞にまでノミネートされた。アルバムのタイトルにもなっている「Elements of Life」は、音の洪水という表現が当てはまるほどあらゆる音が凝縮されて聴く人を興奮の渦に引き込む音楽で、極めてオリジナリティが高く、テンションが上がるタイミングと落ち着かせるタイミングが交互にきて、全体的にドラマチックな一曲に仕上がっている。まさにクラブシーンのためにあるような名曲で、トランスの原点であり頂点でもあるTiestoの音楽性が楽しめる。2012年には、EDM真っ盛りの音楽シーンの中で、より現代的な音楽としてEDMにシフトしていく。
2011年リリースの「Maximal」は、EDM流行の象徴になった曲だ。エレクトロニカなトランスサウンドから、ポップさが融合されてEDMへと進化した。EDMの誕生を象徴する一曲ともいえるだろう。世界NO.1DJにも選ばれたHardwellとコラボレーションした「Zero 76」は、完全にアップテンポのノリノリな曲調で、世界のEDM全盛期を感じさせる一曲だ。2012年というと、日本でも少しづつEDM人気が出始めた頃だ。Kyler Englandとコラボレーションした「Take Me」もオススメだ。力強く美しく広がりのある声のKyler Englandと、Tiestoの派手なサウンドが絶妙にコラボして最高にクールな曲に仕上がっている。
長らくエレクトロミュージックを牽引してきたTiestoは、トランスを代表するトップDJでありながらも、時代の変化と共にEDMを牽引するトップDJへと進化していった。時代の流れを読みながら新しいものをすぐに取り入れつつも、オリジナルな存在感を保ち続けてきた彼は、ジャンルを超越したTiestoというブランドを確立し、世界のレジェンドDJにも選ばれている。2018年で49歳を迎えたTiestoは、これからも生きるレジェンドDJとして世界中の音楽ファンを盛り上げてくれることだろう。
Photo:https://www.facebook.com/pg/tiesto/photos
Written by 編集部