Skrillex(スクリレックス)は昨今のEDMに影響を与えているエレクトロミュージシャンである。彼が与えている影響は大きく、ダブステップのサブジャンルであるブロステップの第一人者として活躍している。
Skrillexは本名をSonny John Moore(ソニー・ジョン・ムーア)といい、1988年生まれのアメリカ人である。彼はもともと2004年からFrom First to Last(フロム・ファースト・トゥ・ラスト)というハードコアバンドでリードボーカルとして活躍していたが、声帯を痛めてしまったことをきっかけに、2007年からソロでサウンドプロデュースの活動をするようになった。その後、知名度を上げていき、2010年代にはブロステップという音楽ジャンルにおいて最前線で活躍している。頭の片側をそり上げた髪型がハードコアな雰囲気を醸し出していてインパクトがあるが、ファンと親しい好青年として知られており、また、日本が大好きでKyotoやKaisuiという日本語タイトルの曲も作っていることでも有名だ。
ブロステップとは何かというと、ダブステップから生まれた音楽ジャンルのうちの一つである。ダブステップとは、EDMの一種であり、2000年代前半にイギリスのロンドンで誕生した。EDMとはエレクトロニック・ダンス・ミュージックのことであり、クラブなどでシンセサイザーなどを用いて演奏されるダンスミュージックであり、ヨーロッパ発祥で2000年代以降にアメリカなど世界各地に広まっていった。EDMには様々なジャンルの音楽があるが、その中でも特に2ステップにドラムの要素を加えたのがダブステップである。それが音楽雑誌やラジオなどで取り上げられて人気を確立していくにつれ、そこからさらにサブジャンルが生まれていった。そのうちの一つが、Skrillexをはじめとするアーティストたちによって演奏されているブロステップなのだ。その特徴としてはドラムパターンがダブステップよりも単純になっておりドラムのキックやスネアで拍子打ちがされている。Skrillexの場合はエレクトロ・ハウスやUKダブステップをベースとしてアレンジされた曲が特徴的となっている。
Skrillexはブロステップの第一人者であると述べたが、音楽のジャンルは細分化されているために定義があいまいなので、一つ一つの曲のジャンルが厳密に決められているわけではない。しかし、彼の作る曲の特徴としては、中高音域をメインとした派手な印象が強く、それが低音域をメインとしたダークな印象のあるダブステップとは違うため、ブロステップと呼ばれている。そういわれて聞いてみてもよくわからないという人や、適当でいいんじゃないかという人もいるかもしれないが、そこら辺の定義やジャンル分けを厳しく言う人もいるので、覚えておいたほうがいいだろう。
同じブロステップのアーティストとしては、Knife Party(ナイフパーティー)などがおり、ともにブロステップという音楽ジャンルにおいて人気を博している。また、イギリスの有名なプロデューサーであるDiplo(ディプロ)とユニットを組んでライブを行ったり、リミックス曲の制作やプロデュースを行うなど積極的な活動をしている。そんなSkrillexの代表的な曲をいくつか紹介しよう。
まず、日本のクラブでもよく流されている曲として、ヒップホップのアーティストとコラボして制作されたWild For The Nightが挙げられる。また、ジャマイカのレゲエアーティストであるダミアン・マーリーとコラボしてMake It Bun Demという曲も制作している。ちなみにこのダミアン・マーリーはレゲエで有名なボブ・マーリーの息子であり、Skrillexはその他にも多くの有名アーティストとコラボしたり、異なるジャンルの曲と融合させるなどの試みによって人気を得ている。
Photo:https://www.facebook.com/skrillex/photos
Written by 編集部