Wardaaが注目する若手ラッパーLEX、Kvi Baba、dodo。ポピュラーになっていくヒップホップの未来を語る。

Wardaaが注目する若手ラッパーLEX、Kvi Baba、dodoを紹介。「幅広い層の音楽」としてヒップホップをやっている新世代に期待が高まる。
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2019.02.19 06:30

Wardaaさんがblock.fm『Summitimes』の中で、Summitの増田岳哉さん、平林錬さんとイベント『Mango Sundae』で注目する注目の若手ラッパーLEX、Kvi Baba、dodoについて話していました。





増田:ちなみに今週末の『Mango Sundae』はラインナップはどんな感じなんですか?


Wardaa:今回はライブでさっき『curtins』がかかったdodoくんとあとは大阪の19歳のラッパーのKvi Babaくん。


増田:Kvi Babaさん。


Wardaa:あと、東京で活動をしている16歳のLEXくんっていう3人のライブ。あとはDJで荒井優作さん。KMくん、あとはshakkeちゃんと僕っていう感じですね。


増田:荒井優作さんは「あらべえ」っていう名前で前にやっていた方ですね。なるほど。今日は音源を持ってきてくださっているという?


Wardaa:はい。じゃあ、さっそくかけたいと思います。


増田:曲紹介をお願いします。


Wardaa:まずはLEXで『Flower』。お聞きください。


LEX『Flower』


Wardaa:いま聞いてもらっているのはLEXさんの『Flower』っていう曲で。


増田:めっちゃかっこいいっすね!


Wardaa:これはSoundCloudで聞けて。SpotifyとかよりもSoundCloudにすごい曲をたくさんアップしていて。なんかこの間、新宿ではじめてライブを見たんですよ。そしたら平日の夕方帯のイベントでお客さんもほとんどが16、17ぐらいの高校生とかが多くて。


増田:ええーっ!?(笑)。


Wardaa:その中に僕がいるっていう感じで面白かったんですけども。すごいもうファンがついているというか。その中だと結構スターっぽい感じで。雰囲気もすごいあって。めちゃめちゃライブも面白かったですね。


増田:いま16歳っていう風に先ほど紹介がありましたけど。もう何年かやってはる人なんですかね?


Wardaa:いや、そこはちょっとわからないですけども。SoundCloudだとたぶん1年前ぐらいの曲はあるんで。結構恐るべしというか。


平林:東京の人なんですか?


Wardaa:はい。出身はどこかわからないですけど、東京メインで活動をしている人で。まだ高校生ですね。


増田:高校生か。めっちゃかっこいいですね!


Wardaa:いや、いいんですよね。


増田:あの、そのSoundCloudにアップされているって言っていたけど、海外の人たちって結構もう1曲単位でSpotifyとかAppleMusicに出すじゃないですか。


Wardaa:そうですね。


増田:で、そういうの、もうちょっと日本の人たちも軽くやってほしいっすね。まあ、もしかしたらそこにつながれないっていう理由があるのかもしれないけど。それこそ、dodoさんとかも昔の曲とかも……。


Wardaa:そうですね。上げてほしいですね。


増田:まあ、今回のやつもすごいいいんですけど、昔の『plastic』とか『Lost Time Again』とか、あのへんとか、SoundCloudでしかたぶん聞けないと思うんで。SoundCloudでももう聞けないのかな?


Wardaa:いや、もしかしたら消されているか、YouTubeには上がっているか、ぐらいですかね。


増田:で、海外のそれこそYouTubeで見つけた人とかをSpotifyとかAppleMusicで見ると、やっぱり1曲単位とかでも上がっていて。アルバムには入っていないけど、1曲でも……すごいデモみたいなのとかも普通に配信しているじゃないですか。なんかそういうのをどんどんやってほしいなとか思いますね。


Wardaa:そうですね。やっぱりみんな軸足が結構SpotifyとかAppleMusicに移っているとは思うんで。ただ結構なんかSoundCloudでもすごい聞かれていて。いまの曲とかも4万回とか。そういう独自のシーンというか。やっぱりいま、SoundCloudでラップを聞いている層みたいなのがいるみたいで。


増田:うんうん。


Wardaa:じゃあLEXさんの曲をもう1曲。次は『Captain Harlock』という曲で、これはTRASH ODEっていう人とOnly Uさんという人をフィーチャーしている曲です。


LEX『Captain Harlock (feat. Only U,TRASH ODE)』


増田:めっちゃかっこいい!


Wardaa:聞いていただいたのはLEXさんで『Captain Harlock (feat. Only U,TRASH ODE)』。本当になんか、すごいキャッチーだし、雰囲気もすごいあるし。


増田:っていうかラップもめちゃかっこいいっすね。さっきかけてもらった『Flower』っていう曲とかはR&Bというか歌のメロディーがすごいきれいな感じなんでそういうスタイルなのかなって思ったら。まあ、さっきの曲では他の人もラップをしていたと思うけども。


Wardaa:そう。なんかライブでもすごいいろんなタイプの曲をやっていて。


増田:ターンテーブルのライブですか? CDJとか。


Wardaa:そうですね。CDJで、DJがいてライブをするっていう感じなんですけども。めちゃめちゃたくさん、いろんなタイプのライブをやっていて。ちょっと末恐ろしいなって。


増田:本当ですね。すごい。何年か前になんかアーティストの人たちともよく言っていたんですけど。その、ヒップホップがもう単純に昔で言うとギターとかロックっていうものだったのが、もう完全にいまはそれがヒップホップだと思うんで。


Wardaa:本当、そうですね。


増田:いわゆる90年代とか昔からつながるヒップホップの定義とかそういうことじゃなくて、いちばん手に取りやすいアート表現みたいな感じなのかなっていうのがより感じますね。


Wardaa:LEXさんも、そのライブを見たライブハウスにいた子たちも全然、なんかやっぱりいわゆるヒップホップが好きそうな見た目とかじゃないんですよ。


増田:Bボーイとかじゃない。


Wardaa:もうなんか、僕らの世代からしたら、ちょっとビジュアル系っぽいんじゃない? みたいなのとかも、やっぱり普通にトラップっぽいラップをしたりとか。すごい裾野が広がっているんだなっていうのは感じますね。


増田:そうですね。YouTubeとかを見ていても、白人の若い方が結構、ロックとヒップホップじゃないけどローファイな感じというか。そういうのが本当に2年以上前からより増えたなってすごい思うんで。


Wardaa:すごい自然になっていますね。


増田:で、音源だけ聞いていたら黒人の方なのかな?って思っていたら、YouTubeを見ると「ああ、白人の方なのか」みたいな。そういうのもよく感じますね。なんかニコラップとかそういうのとはまたちょっと違う。


Wardaa:そうですね。なんかやっぱり本当にポップミュージック……「ポップミュージック」っていう言い方が正しいかどうかなんですけども。でも、本当に幅広い層の音楽としてヒップホップをやっているっていう。


増田:本当にそうですね。素晴らしい。もうめちゃくちゃ嬉しいことですね。


Wardaa:ということでちょっと、次のアーティストに。


増田:ありがたいね、これは。


平林:勉強させていただきます。


増田:これはもうアーカイブせずに、「俺らが知ってる」みたいな感じで……冗談です、はい(笑)。お願いします。


Wardaa:次は大阪のラッパーでKvi Babaさんの『Feel the Moon』っていう曲です。これはプロデュースはKMくんが。


増田:ああ、KMさんが。


Wardaa:では、どうぞ。


Kvi Baba『Feel the Moon』


Wardaa:はい。ということでいまのがKvi Babaさん。


増田:Kvi Babaさん。かっこいいですね、これもまた。


Wardaa:彼は僕、去年MinchanbabyとLINEしている時に教えてもらって。それで聞いてみたらめちゃめちゃよかったんで。そしたらその後でKMくんがプロデュースしたりとか、いろいろとつながっていって。


増田:つながりが。やっぱりなんか、その早い人たち同士は感覚も共有されていますね。なるほど。


Wardaa:彼、僕は1回話をしたことがあって。「別に自分はそんなラッパーと思ってやってはいない。自分がやっているのはヒップホップだとは思っていない。本当に自分が歌いたいことを歌っているだけ」って言っていて。もともとお父さんの影響でニルヴァーナとか、本当にロックをすごい聞かされていたって言っていて。それはすごいよくわかるというか。すごく入っているなって思いますね。


増田:まさにね、トレンドに合っている感じ、しますよね。うんうん。それこそ、メインストリームのアリアナ・グランデさんとか、そういう人たちもそういうメロディーの、メロウな静かなトラックで歌うみたいなのも普通に多いもんね。


Wardaa:前はタイムラグ、ちょっとあったじゃないですか。メジャーな人が取り入れるのは。もうだから、それがすごい早くて。まあ、それでも全然関係ないことをやっている人たちがまた出てきて……っていうか。


増田:日本の有名な方々もどんどんそうなったらいいですね。でも、星野源さんとかあいみょんさんとかは割とそういう新しいものをどんどんどんどん、そのお茶の間にも届けられるような感じにはされていると思いますけども。


Wardaa:ということでもう1曲、Kvi Babaさんの曲を聞いてもらっていいですか。これは『Leave Me Alone』っていう曲で今度、2月にリリースされるEPから。たぶんまだ未公開の曲だと思うんでぜひ。これもKMくんプロデュースです。


Kvi Baba『Leave Me Alone』


Wardaa:はい。聞いてもらったのはKvi Babaで『Leave Me Alone』でした。


増田:素晴らしい! めちゃめちゃいいですね。


Wardaa:本当にメロディーセンスと、ちょっと歌詞は暗めではあるんですけど、本当にそれが別に作っているものじゃなくて、彼から出てきているんだろうなってわかる感じっていうか。


増田:大阪の方ということでしたけども。東京でのライブっていうのは今回が初ぐらいなんですか?


Wardaa:KMくんが去年やったリリパかなんかで1回、たぶんやっていて。その後に何回かやったのかはわからないですけど。でも、なかなかまだライブはやっていないと思うのでぜひという感じです。


増田:本当ですね。楽しみではあります。ちょっと自分もいろいろと聞きたくなってきたな(笑)。


Wardaa:フフフ(笑)。


増田:あんまり、自分の仕事の音源を聞くのはすごい好きなんで。そういう仕事のモードに入っている時はあんまりちょっと……。


Wardaa:他のものは。


増田:なんか案外あれなんですけど。いま、こうやって聞くとめっちゃいろいろと探したくなってきた(笑)。そういうスイッチが入る時がある。


Wardaa:でも本当に発信をするのが簡単だし。その中でもラップっていちばん録るのも簡単だと思うんですよ。


増田:そうなんですよね。有り物のビートっていうのもあったりするしね。


Wardaa:だからそういう人たちってどんどんこれから増えていくんじゃないかなっていう気がしますね。


増田:いいおもちゃになるんでしょうね。


Wardaa:それでしかも、夢も出てきたっていうか。最近は。日本のラッパーでもこういうことができるだっていうような。


増田:KOHHさんとかも含めて、ああいう人たちが。


Wardaa:そう。だからよりさらに層は広がっていくんじゃないかなっていう気がいますね。


増田:そういう意味では、フリースタイルブームとかもかなり、いい意味での影響がすごいデカいんやろうね。


平林:入り口になるとはめちゃめちゃ思いますね。


増田:さっきも話してましたけども、高校生ラップ選手権とか、そういうところでよりポピュラーになって。クラスでもいっぱいそういうのがたぶん行われているんやろうし。


Wardaa:そう思いますね。


増田:未来ですよ、未来。レンくん(笑)。


平林:ヤバいっすね(笑)。


Wardaa:フフフ(笑)。


増田:目を光らせてくださいよ(笑)。


平林:でもすごいっすね。本当に……どういう風になっていくんですかね。めちゃめちゃいまのストリーミングがめっちゃヒップホップに向いているサービスじゃないですか。


増田:「曲が短い」っていうのもね、かなり……いま、もう2分台ばっかりだもんね。2分03秒とか。


Wardaa:3分後半の曲があると「長い」って思っちゃいますよね。


増田:長い。もうワンバースの方が多いし。そう。たしかに、チョッチョッチョッて聞けるというのがプラットフォームとしても合っているのかもしれないね。あと、たとえば自分が高校生やったとして、自分の部屋でこういうヒップホップを聞いていて、たとえば家族で車に乗った時とかも自分の高校時代とかだったらやっぱりグランジとかそういうのを聞いていたから。親とかに嫌がられるけども。たぶんいまかけてくれていたLEXさんとかKvi Babaさんみたいな曲っていうのは親の前でかけていてもすごいスムーズな感じっていうのもあると思うから。なんか、やっぱりより聞きやすい、広がりやすいっていうのもあるのかなとか、ちょっとだけ自分の高校の時を思いだして思いました。


Wardaa:たしかに、たしかに。


増田:だいたい俺の聞いているやつとかはもう「そんなの、音楽じゃない」って言われるのが多かったんで。


Wardaa:じゃあもう1人、dodoくんの……さっき、アルバム『importance』から『curtins』がかかりましたけど、次は『important』をかけたいと思います。


dodo『important』


Wardaa:はい。dodoくんのアルバム『importance』から『important』を聞いてもらっています。なんか今回の『Mango Sundae』はテーマ的にいろいろと……「エモーショナルな」って言ったらいいのか、それぞれ各人で違うとは思うんですけど、全体的にはそういうテーマ性で。こういう人たちが一緒にやったらいいんじゃないかなって。


増田:うんうん。


Wardaa:お互いに全然交流もないとは思うんですけど、揃えてみたっていう感じですね。

増田:でもdodoさんも先に音源が出ていたとは思うけど、当時は高校生で。高校生ラップ選手権に1回出てみたりとかもしていて。で、Weny DacilloさんとかWillyWonkaさんとかも。すごいですよね。


Wardaa:みんなでもどっちかって言うと……たぶんWillyWonkaさんはめっちゃ強かったと思うんですけど、結構負けちゃっている子の方が音源はよかったり。


平林:うん。よく覚えてますもん。増田さん、Wenyさんがはじめて出てきた時に「この人、音源聞いてみたいな」みたいなことをいちばん最初に言っていて。


増田:ああー、そうなんやね。


平林:そう。なんかそれ、すごい覚えてました。


増田:でも、かっこいいですもんね。曲もすごい好きですしね。dodoさんがだからちょっと先輩に感じますね。LEXさんとKvi Babaさんを考えると。


Wardaa:たしかに(笑)。


増田:dodoさん、ちなみにいまはおいくつ?


Wardaa:24なんで。


増田:ああ、まだ24。


Wardaa:でもそれでLEXくんとはもう8個違うっていう。すごいっすよね。


増田:すごいですね。なんかLEXさんとかは宅録なんですかね? そのへんも興味ありますね。


Wardaa:でも、そんなにやっぱり音質がすごいいいっていうわけではないので。まあ宅録っぽい感じはするかなっていう。


増田:もうお年玉が入ったら次のソフトとかアプリとかシンセとか買って……みたいなの、あるのかもしれないですね。すごいよなー。


平林:そんな感じなんすかね?(笑)。


増田:いやいや、知らないけど。


平林:いやー、すごかったなー。


増田:全部すごかった。さすが、Wardaaさん。


Wardaa:いやいや……。



番組情報

▶「SUMMITimes」

放送日:毎月第2月曜日 21:00 - 22:00 O.A.

番組URL : https://block.fm/radios/9


ヒップホップレーベルSUMMITがお送りするラジオ番組。その時々でテーマを変えて、いろんな音楽を紹介する気ままな番組です。司会者のトーク・スキルには問題アリですが、構えず楽しんで聞いてもらえたらうれしいです。


written by みやーんZZ



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