日本が大好きな世界屈指のDJ Porter Robinson(ポーター・ロビンソン)ってどんな人?

日本の細かいカルチャーも掴んでるDJ Porter Robinson(ポーター・ロビンソン)のここが凄い!
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2018.05.09 07:05


日本の細かいカルチャーも掴んでるDJ Porter Robinson(ポーター・ロビンソン)のここが凄い!


 Porter Robinson(ポーター・ロビンソン)は顔文字を使いこなす。「笑い」を表す時は、「www」と草を生やす。お気に入りはミスタードーナツのポンデリングだ。この若きアメリカのDJは、日本カルチャーが大好きなのである。


ミュージックビデオ「Shelter」を激しくおすすめする理由


「Shelter」のMVを見た事があるだろうか。DJ Porter RobinsonとEDMの作曲家Madeon(マデオン)がコラボして作った楽曲である。Porter RobinsonとMadeonの2人の仲は、約10年前にインターネットの掲示板で知り合った事が始まりだ。プライベートでのみ交流のあった2人が「Shelter」で初めてタッグを組んだのである。そこに日本のアニメ制作会社A-1 Picturesが映像制作で加わり、唯一無二の世界に仕上がったのだ。


日本を舞台にした「Shelter」は儚く美しく、とにかくエモい。この6分6秒の短いアニメーションに多くの人がノスタルジックな感情を揺さぶられるだろう。この切ないストーリーの原作者もPorter Robinsonだ。あらすじは書かないので、まだ見ていない人は、予備知識なくまっさらな状態で見るのがおすすめである。




「Shelter」が公開されたのは2016年10月18日22時15分。世界に先駆けての日本公開だった。渋谷MODIの大型街頭ビジョンの前に詰めかけたファンは200人以上。皆、Porter Robinsonのコメントの後に始まったMVを静かに見上げた。そして上映が終わった一瞬の後、彼らは大きな歓声をあげて拍手を送った。それは「Shelter」が世界に放たれた瞬間だった。Porter RobinsonがこのMVに掛けた製作期間は1年以上。その間、打ち合わせの為に6回以上日本を訪れたという。アニメを担当したA-1 Picturesは、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などで知られる制作会社だ。Porter Robinsonは以前からこのアニメが大好きだったと語っている。



Porter Robinsonが音楽に興味を持ったのも、日本のゲームのBGM、特に「ダンスダンスレボリューション」に影響を受けたのが最初である。そこから作曲活動を開始し、2010年に18歳でリリースしたシングル「Say My Name」が大物DJ、SKRILLEX(スクリレックス)の目にとまって世に出た。そこからの彼は、思うままに才能の翼を広げ、有名DJとなったのである。MVでは「Shelter」の他にもアニメを駆使した独特の世界観を披露するなど、オリジナルの感性が人々を惹きつけている。


Porter Robinsonは日本のカルチャーと街を愛し、何度も日本を訪れている。特に気に入っているのは渋谷や原宿。裏通りや住宅地を歩く事もある。日本人があまり目を向ける事のない場所で、街の日常を肌で感じるのだろう。




Porter Robinson、VIRTUAL SELF名義での活動を開始


2017年10月、DJ Porter RobinsonがVIRTUAL SELFが(ヴァーチャル・セルフ)という名義で新しい活動を開始した。「EON BREAK」を発表した後の2017年11月にリリースした「Ghost Voices」のMVもおすすめだ。こちらは「Shelter」とは少し違う雰囲気に仕上がっている。全体を通して色味を抑えた映像はクールで近未来的。シンセサイザイーの奏でる音色は2000年前後のトランスミュージックサウンドを彷彿とさせる。本人はこの楽曲のジャンルを「ネオトランス」としている。

また、同11月には1stEP「VIRTUAL SELF」も配信。DJPorter Robinson名義での活動とはまた一線を画す作風に、新たなる期待が寄せられている。




ニューアルバムにも日本カルチャーの影響が


Porter Robinson名義としては約7年ぶりのアルバム『Nurture』を2021年4月にリリースした。J-POPやアニメといった日本文化に対するリスペクトや愛、そしてそれから受けた影響を積極的に音楽に取り込み、日本人クリエイターともコラボレーションするPorter Robinsonが作詞・作曲・歌唱・楽器演奏を担当した渾身のニュー・アルバムには、『おおかみこどもの雨と雪』のサウンドトラックを手掛け、自身にとって“音楽界におけるヒーロー”と呼ぶ高木正勝の存在を感じられる曲「ウィンド・テンポ」を収録と、ポーターとジャパニーズ・カルチャーの関係は切っても切り離せない。さらに国内盤ボーナス・トラックには、大ファンと公言する水曜日のカンパネラとコラボした「フルムーン・ララバイ」が収録され、本人の強い希望により、ブックレットのデザインや日本語の曲タイトル、メッセージ訳、歌詞対訳の全てをPorter Robinsonが監修するという、かなりの力の入れ具合で、彼の変わらない日本愛を感じることができる。


またインタビューでは若くして名声と人気を得たが、この数年間は苦悩と向き合う非常に辛い時期だったことを明かしている。一瞬にして“次世代を担う天才DJ”と評され、期待に応えようと自分に厳しくなってしまったことで、負のループに陥り、遂には大好きだった音楽さえもやめようと思ってしまうほど思い詰めてしまったそうだ。しかし、恋人や家族の存在、友達と好きなゲームをするといった“自分の”生活を送ることで、そこから抜け出すきっかけを見つけ、アルバムを完成することができたという。



日本への旅行からインスピレーションを得た曲


『Nurture』に収録されている「Look at The Sky」についてインタビューで「2016年くらいに書いた曲で、日本に旅行している時にできあがった」と話すPorter Robinson。しかも歌詞やアートワークのイメージは日本の鉄道のポスターからインスピレーションを得ているそうで、綺麗な風景と電車が写ったポスターに書かれたフレーズから「Look at the sky, I'm still here. I'll be alive next year」という歌詞が誕生したそうだ。


このようにPorter Robinsonは日本の文化が好きすぎるあまり、アーティストとしても常に影響を受けているのである。



source

https://www.gqjapan.jp/culture/article/20210424-porter-robinson-interview

https://www.billboard-japan.com/special/detail/3157


Photo:https://www.facebook.com/porterrobinsonmusic/photos


Written by 編集部




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