Behringer、Sequential Prophet-600のクローンPRO-800の画像を公開

Prophet-600の独自ファームウェアアップデートで知られるGliGliが開発協力。
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2020.09.24 03:00

Behringerがいつものように突如、同社Facebook公式アカウントにて新製品をアナウンス。

Behringer + Prophetまで読んで「ついにP5きたか」と思いきや、発表されたのはSequential社がProphet-5の後発品として1982年に発売していたポリフォニックシンセ、Prophet-600のクローンPRO-800。



手軽にProphet-5のサウンドを


Prophet-600はProphet-5の廉価版という立ち位置で(それでも30万円以上だったが)発売された。知名度や人気で言えばProphet-5が圧倒的であるが、このProphet-600もProphet-5の同様のVCFおよびVCAセクションを搭載しており、Prophetサウンドが比較的安価に楽しめると言うことでシンセファンからは一定の支持を得ている機種だ。世界で最初に市販されたMIDI対応シンセとしても知られている。


オリジナルに忠実ながら耐久性もこだわり


現時点での詳細な情報は少ないが、公表されている写真からは、操作系はオリジナルを忠実に踏襲している仕様のようだ。

オシレーターはノコギリ波、三角波、および可変パルス波形を搭載。P5ゆずりのPoly-Modセクションもあり、フィルターとVCAはコンパクトながら独立したADSRエンベロープが搭載されている。オリジナル機のシンプルで合理的なサウンド制作のプロセスを楽しめそうだ。


キーボード無しでコンパクトサイズなクローンなのもハードウェア派のクリエイターには魅力だろう。

なお、FBの投稿には左側のスイッチの耐久性が気になるといった声が上がっていたが、Behringerによれば20,000回のライフサイクルテストをしている、医療器具でも使用されるグレードのものを利用しているとのこと。





GliGliが開発協力


Behringerは公式Facebookアカウントで今回の開発に、Prophet-600の改良ファームウェアの開発で知られるGliGliが協力していると公表しているので、おそらくはPRO-800にもGliGliアップデートの内容が採用されているだろう。上述のFB投稿ではBehringer公式からもGliGliの改良を加えていると解釈できるリプがついている。


オリジナルのProphet-600のGliGliファームウェアアップデートはCPU自体の換装も伴い、自分でやるにはそこそこ手間もかかる。

その工程はこちらの動画にある通り。



上蓋を開けCPUソケットを換装するだけなので、ハードシンセガチ勢から見れば簡単な部類かもしれないが、それでも中古市場で30万円近くする機体。できることなら避けたい作業ではないだろうか。

また、オリジナル機は6ボイスだが、PRO-800では8ボイスに進化している模様。投稿では多くの新機能を備えているとも書かれており、詳しくはアップデートを待ちたい。

Behringerはこういったマイナーアップデートでオリジナル機を持っているファンをも引き込もうとしているのだろう。その作戦、ずるくて最高。


残念ながら詳細な情報はもう少し待つことになりそうだが、現時点では600ドル未満で1月に出荷を目指しているとのこと。

いつもどおりオリジナルの中古やDave Smith Instruments社のProphet-6の価格設定は、、と思っていたファンもProphetのポリシンセサウンドがこの価格なら今回も即ポチだろう。



written by Yui Tamura


source:

https://www.facebook.com/behringer/posts/10158798295258914

photo:

https://www.facebook.com/behringer/posts/10158798295258914





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