Marshmello(マシュメロ)は、アメリカの覆面DJだ。白いバケツのような形のマシュマロを模したマスクを被り、全身に白い服を覆ったその風貌は、一度見たら忘れらない。ユニークで、ゆるキャラのようでもある。そんなMarshmelloが2017年の冬にネパールで起こした騒ぎを振り返ってみよう。
2017年12月13日、騒動はネパールの首都カトマンズのナイトクラブで起こった。店の名前は「デジャヴ」。カトマンズの中でも注目のナイトスポットである。簡単に紹介しておくと、場所はネパール、カトマンズの観光スポット「ナラヤンヒンティ宮殿」「ヒンズー教寺院」のすぐ近く。会場の面積は20,000平方フィートで総収容人数は2500人。2つのダンスフロアを有し、それぞれにラウンジ席とVIPルームを設けている。照明、サウンドシステム、ビデオマッピング・システムと、どれを取っても、とにかく最先端のクラブなのだ。
その「デジャヴ」に出演予定だったMarshmelloだが、食中毒を起こしてイベントがキャンセルになってしまったのだ。41度の高熱をおしてのパフォーマンスはどうしても無理だった。それ自体は不可抗力でもあるし、どうしようもない事だ。予期せぬ不運であろう。Marshmello自身もインスタグラムやツイッターでネパールのファンに謝罪と感謝の意を表明している。ただ問題は、クラブ側からの発表が極端に遅かったことだ。夜中の2時過ぎ、おもむろに現れたプロモーターから発表されたのは、Marshmelloの出演キャンセルとその理由だった。すでに会場に集まり、今や遅しと主役の登場を待っていたオーディエンスは大激怒。それはそうだろう。そして大暴動が始まったのである。クラブは猛り狂ったファンにより、破壊の限りが尽くされた。飛び交う怒声と狂気に、最新鋭のクラブは修羅場と化したのである。しかも、事はそれだけでは治まらなかった。プロモーターとクラブ関係者の内8人が、ネパール警察に逮捕されたのだ。クラブの収容人数の倍以上のチケット枚数を販売していたからだ。アナウンスの遅延が招いた惨事と、刑事事件にも発展した関係者の悪質な行為により、クラブ「デジャヴ」の信頼が揺らいだのは仕方のない事だろう。
ちなみに事件と言えば、Marshmelloは過去に偽物事件に巻き込まれた事がある。シンガポールのクラブ「Zouk」に、Marshmelloマスクを被った偽物が現れて、まんまとオーディエンスを欺きDJを行ったのだ。覆面アーティスト故の被害である。
そんな覆面DJ、Marshmelloの正体だが、Marshmelloフリークの中には知っている人も多いだろう。ズバリ、アメリカのDJ、Dotcom(ドットコム)説が有力だ。勿論オフィシャルでの公表はないが、どこの世界にも解析・特定の達人がいるものである。
Dotcomの本名は「クリス・カムストック」。そして、あるインタビュー中にインタビュアーがMarshmelloに向かって思わず呼び掛けた名前は「クリス」だった。また、Dotcomの太ももには赤い薔薇のタトゥーが入っているのだが、Marshmelloにも同じ箇所に薔薇のタトゥーがある事が明らかになったのだ。Marshmelloが履いた白いダメージジーンズの太もものダメージ部分から、赤い薔薇がチラ見えしていたのだ。狙ってではなくてウッカリミスだったとすれば、なんとも迂闊である。他にもマネージャーが同じだとか、フェイスブックのフォロワーが被っているとか、証言は枚挙にいとまがない。ネパールの暴動事件だけでなく、色んな意味で大注目のMarshmello。その一挙手一投足に目が離せないのである。
Photo:https://www.facebook.com/marshmellomusic/photos
Written bu 編集部