大沢伸一の健在ぶりを世に示したMONDO GROSSO(モンド・グロッソ)の復活

MONDO GROSSO(モンド・グロッソ)は大沢伸一のソロプロジェクト
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2018.05.22 10:27


MONDO GROSSO(モンド・グロッソ)は大沢伸一のソロプロジェクト


日本のクラブミュージック界の重鎮・大沢伸一が手がける数々のプロジェクトの中でも、最も重要なものの1つがMONDO GROSSOである。1991年から活動を開始したこのバンドは海外でも高く評価され、今も世界中のDJたちにプレイされている。2017年には久しぶりの新作を発表して話題を呼んだ。


2017年の話題をさらったMONDO GROSSO


2017年6月に発表された『何度でも新しく生まれる』はMONDO GROSSOによる14年ぶりのオリジナルアルバムとして発売前から注目を集め、リリース後は大ヒットを記録した。ヒットの要因にはもちろん久しぶりの新作に対する期待度の高さがあったが、同時に参加メンバーの多彩さも大いに関係していた。


MONDO GROSSOの作品は大沢伸一が制作したトラックにゲスト・ヴォーカリストが歌を乗せるというのが基本スタイルとなっているが、『何度でも新しく生まれる』の先行シングルである「ラビリンス」のヴォーカルを担当したのは、今や若手女優ナンバー1との呼び声も高い満島ひかりであった。 彼女が香港のビル街を歌いながら踊るミュージックビデオはYouTubeにて公開後わずか3日間で再生回数が100万回を超え、世間の注目を集めた。




また、人気アイドルグループ・乃木坂46のメンバーである齋藤飛鳥がヴォーカルで参加した「惑星タントラ」は作詞をティカ・α ことやくしまるえつこが担当し、その意外性に満ちたコラボレーションが話題となった。その他、以前から交流のあるbirdやUA、まったく無名の主婦であった下重かおりなど、バラエティに富んだその人選は大沢伸一のたぐいまれなセンスを象徴するものとして評判を呼んだ。






バンドから大沢伸一のソロへとシフト


MONDO GROSSOは1991年に大沢伸一をリーダーとするバンドとして結成され、日本におけるアシッド・ジャズの草分け的存在として活動を開始した。


その後、1995年からは大沢伸一のソロプロジェクトとなり、他アーティストのプロデュースやリミックスといった大沢伸一個人名義の活動と並行しながら数多くの楽曲を発表してきた。2000年発表の4thアルバム『MG4』は全世界25カ国でリリースされ、国際的な知名度を獲得するに至った。また、同年にはbirdをゲストヴォーカルに迎えたシングル「Life feat. bird」がTVCMに使用されたこともあって大ヒットを記録し、コアな音楽ファンのみならず一般にもその名が知られるようになった。




そんなMONDO GROSSOであったが、2003年に5thアルバム『NEXT WAVE』をリリースした後は活動休止状態となり、大沢伸一はクラブDJなどの個人活動に重心を移すようになる。そのため、ファンの中にはMONDO GROSSOはもはや「終わったプロジェクト」であると考える人も少なくなかった。


そんな中で発表されたのが『何度でも新しく生まれる』であった。驚きと歓喜をもって迎えられ、2017年の音楽界における重要なトピックスの1つとなったのは当然だったとも言える。


矢継ぎ早のリリース


『何度でも新しく生まれる』のリリース以降、MONDO GROSSOはそれまでのブランクを取り戻すかのようにハイペースで活動を続けている。


2017年の7月にはフジロックフェスティバル '17に出演し、アルバムに参加したヴォーカリストを迎えたステージは観客を熱狂の渦に巻き込んだ。


さらに、2018年3月には『何度でも新しく生まれる』の続編アルバムとなる『Attune / Detune』をリリースした。先行配信の形で発表されたシングル「偽りのシンパシー」には〈楽器を持たないパンクバンド〉というユニークなコンセプトで知られるアイドルグループ・BiSHのアイナ・ジ・エンドがヴォーカリストとして起用され、テレビドラマの挿入歌に使われたこともあって前年に続いてMONDO GROSSOの名が大きな注目を集めることとなった。




Photo:https://www.facebook.com/pg/Mondo-Grosso-1691320817786668/photos


Written by 編集部



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