Kanye Westの「the life of pablo」についてビッグニュースだ。アルバム「the life of pablo」がついにTIDAL以外でも配信されることが決定した。しかし「the life of pablo」の全てではないという。リリースされていない新曲は一体どのタイミングでリリースとなるのか。
最初はTIDALのみで配信されていたKanye Westのアルバム「the life of pablo」だがその後ストリーミング配信が開始され、異常事態を招く結果となった。なんとストリーミング配信だけで「the life of pablo」はアメリカのアルバムビルボードチャートを1位をゲットしてしまったのだ。これは実に大きな出来事である。何故ならアメリカのアルバムセールスにおけるカウントはCDで行われるため、ストリーミング配信の音楽は1500回再生で1つのCDとみなされる。しかもリスナーがダウンロードだけではなく実際に再生しなければカウントとはならない。
しかしKanye Westは「the life of pablo」でその偉業を達成してしまった。今後は彼のように配信ストリーミングのみでプラチナ・レコードが狙えるアーティストが増えてくるかもしれない。Kanye Westはまずその厚い扉を開いたのだ。
Kanye Westはアメリカを中心に活動するヒップホップとR&Bのアーティストだ。そして実は彼はもともとアーティスト側の人間ではなかった。音楽プロデューサーだったのだ。彼は驚くことに大学時代から音楽のプロデュース業を開始しており、1990年にはメジャーアーティストにも曲を提供している。彼のことは業界の中では非常に有名だったのだ。
そんな中音楽アーティストであるJay ZにKanye Westは音楽の才能を見込まれることに。Kanye WestはJay Zの音楽プロデュースのために活躍し、あのジャクソン5の名曲である「I Want You Back」をサンプリングし、「Izzo」という曲を制作。プロデューサーとしての彼の手腕はまだまだこんなところではなく、Jay Zのアルバム「The Blueprint」になんと5曲を提供。その結果、「Izzo」は全米チャート8位にまでランクインする大ヒットとなり、アルバム「The Blueprint」は「2000年代の最大の名盤」という賛辞を浴びるほどのヒット作品となった。
そしてKanye Westは音楽プロデューサーの仕事が忙しくなりすぎて、大学を中退することに。ともかく彼の音楽人生はこうして幕を明けたのである。
Kanye Westの快進撃は2004年から始まる。アルバム「The Colledge Dropout」が彼のファーストアルバムだ。ちなみにこれは「大学を辞めちまった」ということで当時の彼の心情がストレートに表現されていて面白い。その後は出すアルバムは軒並み大ヒットを記録するものばかりだ。受賞歴もすごい。2005年にはアルバム「Late Registration」をリリースその後の2013年の「Yeezus」まで発表されたアルバムやシングルはグラミー賞の何部門を制覇し続けた。Kanye Westの音楽の才能は本物である。だが、彼は少々過激な物言いをするスキャンダラスな一面もあったのだ。
トラブルとしては2009年に「SpaceTV」に出演した際に「次のマイケル・ジャクソンは俺さ」と発言。これは全米に物議の嵐を起こした。彼の行動はこんなことではおさまらない。同年のMTVミュージックアワードではテイラー・スィフトのマイクを奪い「君の受賞は本当に良かった。けれどビヨンセが最も優れたビデオを作った一人だ」と発言。しかもこのときKanye Westは泥酔状態である。このことはのちにトラブルを引き起こしたのでKanye Westは電話で直接テイラー・スウィフトに謝罪。Kanye Westは世間からすさまじいブーイングを浴びることとなった。
そしてこのテイラー・スィフトとのいさかいはアルバム「the life of pablo」にまで持ち越しされている。Kanye Westが歌詞で「俺があのビッチを有名にした」と歌ったのである。ビッチとは間違いなく、テイラー・スィフトのことだ。Kanye Westは事前に許可を得て作曲したと主張したが、当のテイラー側は断固認めない。蒸し返した両者の因縁だが、今度はKanye Westが辛勝した。テイラーが事前に許可をしたテープがなければKanye Westの評判も地に落ちていたであろう、危険な事件だったのである。
このように音楽的才能は恵まれているKanye Westだが、現在も音楽プロデュース業とミュージシャンとのコラボ活動を精力的に行っている。スキャンダルがあるのはもはや仕方ない。彼の新しいアルバム「the life of pablo」は文句のない素晴らしい出来だ。まずわれわれはこれを楽しもうではないか。
Photo:https://www.instagram.com/kanyewestt_official/
Written by 編集部