アメリカのフロリダ州出身のラッパーFlo Ridaは、デビュー曲が1週間で47万ダウンロードと当時の全米新記録を更新し、全米ビルボードチャートで10週連続トップ1位を獲得し続け、新人として30年ぶりの快挙を成し遂げた。その後も次々とヒットソングを叩き出し、シーンを代表するアーティストへと成長した。
Flo Ridaの音楽の歴史は、10代の頃に地元のラップグループ、ツー・ライブ・クルーのツアーへの同行から始まる。若い頃はメジャーから相手にされず音楽の道から離れる時期もあったが、音楽を忘れることはなかった。その後にリック・ロスなどのミックステープへの参加や、DJキャレドのアルバムに客演で参加するチャンスを得たことがキッカケとなり、2006年にアトランティック・レコード傘下のレコード・レーベルボーイ・エンタテイメントと契約できた。
そして2007年に映画「ステップアップ2:ザ・ストリート」のサウンドトラックに参加する機会を得て、収録されたシングル曲「Low feat. T-Pain」が空前の大ヒットとなった。この曲は10週連続でBillboard Hot 100の1位を獲得し続けて、新人として30年ぶりという異例の快挙を成し遂げた。さらに快進撃は続き、2008年Billboardの年間シングルチャートでも第1位に輝き、2000年代の総合シングルチャートで3位という空前絶後の大ヒットを記録した。軽快でノリの良いラップとトラックの相性が抜群で、誰が聴いてもノリやすい王道な曲に仕上がっている。2008年にはファーストアルバム「Mail On Sunday」をリリースし、全世界で90万枚以上という販売記録を作った。シングルカット曲の「Elevator feat. Timbaland」は、Billboard Hot 100で16位を獲得したTimbalandの太く格好良く耳障りの良いラップと、Flo Ridaの聴きやすいキャッチーな高速ラップ、スローテンポのトラックが混ざり合い、完成度の高い一曲に仕上がっている。また他のシングルカット曲「In the Ayer feat. will.i.am」は9位のヒットとなった。
2009年に連続してセカンドアルバム「R.O.O.T.S.」Route of Overcoming the Struggleをリリースする。このアルバムからは、リードシングル曲の「Right Round feat. Kesha」がBillboard Hot 100で1位を獲得し、6週連続でその地位を守り抜いた。自身のデビューシングル「Low feat. T-Pain」を超えて、1週間で60万ダウンロードを記録した。「Right Round feat. Kesha」は最高に聴きやすくノリやすい曲で、キャッチーでポップなラップが繰り広げられている。Keshaのパワフルで伸びやかなヴォーカルとのコラボレーションも見事にフィットしている。Flo Ridaはその後もヒットチャートを席巻し続ける。「Whistle」はダンス調なラップサウンドで、世界中のクラブで流れたキャッチーで耳の残る一曲だ。「Wild Ones ft. Sia 」はアップテンポなダンスミュージックで、サビはSiaの気持ち良く響き渡るパーティー仕様な曲だ。「Once In A Lifetime」ではヴォイスチェンジした声から始まり、Flo Ridaの高速ラップがサビへとノリ良く繋げる。サビでまたヴォイスチェンジが響き、軽快でノリが良いだけでなく、エモーショナルな雰囲気と独特の存在感があり、センス溢れる曲に仕上がっている。
Flo Ridaは巧みなトラックメーカーだ。あまりにもノリの良いサウンドを生み出し続けるので、一見するとシンプルなパーティーラッパーのように見えるが、新しい機材もどんどん取り入れていい音をたくさん使っていて、新しいサウンドの作り方と盛り上げ方に圧倒的なセンスがある。そのスタイルは時代の先を据えた先取り精神に溢れているが、誰にでも聴かせることのできるポップ寄りのラップミュージックという、王道スタイルを貫いている。どの曲を聴いても、ノリ易く聴きやすく新しい発見のある面白いアーティストなので、どんどん新曲をリリースして世界中のリスナーを盛り上げて欲しい。
Photo:https://www.facebook.com/pg/officialflo/photos
Written by 編集部