「Daft Punkの名曲は」という質問はDaft Punkが好きである人にとって一番困る質問ではないだろうか。「One more time」「Dgital Love」などの初期の曲から「Derezzed」など映画で使われた曲、「Get Lucky」などもおしゃれだ。多彩な曲を生み出すDaft Punkに迫る。
Daft Punkのデビューは1994年、シングル「The New Wave」をリリースしたことに始まる。彼らはフランスのポップ、テクノユニットであったがデビュー当初の彼らの活動を知っている人間は少ない。もっとも彼らのデビューが「The New Wave」であることはDaft Punkマニアでなければ知らないであろう。大抵の人であればほとんどがあの名曲だと思っているはずだ。それが「One more time」である。音楽業界は進化が早い。ましてやダンステクノなどのジャンルは1年経過すれば忘れられてしまう曲が多い。しかしDaft Punkはいまだにこの「One more time」でハウスミュージックの頂点にとどまり続けているのだ。メディアのバックアップもすごい。日本では携帯電話から車のキャンペーンに使用されている。2010年代に入っても繰り返し使用され続けるのだ。
「One more time」を収録したアルバム「Discovery」のジャケットにも当時驚かされたものだ。これもおすすめの作品である。何故洋楽に松本零士の描く女性のジャケットなのか。聞けばDaft Punkのふたりは大の「銀河鉄道999」ファンだという。「Discovery」にはストーリーがあり松本零士キャラのアニメーション映画がのちに作られることとなるが「自分の大好きなものを詰めたら最高にクールなものになった」という奇跡はそう起こるものではない。のちの映画「インターステラー5555」は2003年カンヌ映画祭の特別週間で披露され、Daft Punk好きにもそうでない者にも大いに喜ばれた。これだけ一気にクールな曲を生み出すアーティストは他にいない。しかも素顔は本人たちの強い意志で非公開。プロモーションビデオも豪華なメンツが撮影に当たっている。中でもおすすめなのが「Da funk」は映画監督でもあるスパイク・ジョーンズ。もうひとつおすすめは「Around The World」である。これはレディオヘッドやビョークなどのプロモーションビデオを手掛ける名監督、ミシェル・ゴンドリーが撮影した。これだけ豪華なスタッフが携わっているDaft Punkの名曲たちは名前があがっているものだけでも十分おすすめができて、みんなが楽しめるものだ。
Daft Punkが自分たちのために作ったと言われるアルバムが2013年「ランダム・アクセス・メモリーズ」である。ビルボード200などのあらゆる世界音楽チャートで1位を記録した名アルバムだ。彼らが自分たちが聴いていた音楽を演奏していたアーティストたちをゲストに招き「ランダム・アクセス・メモリーズ」は完成した。ザ・ストロークスのジュリアン・カサブランカス、ドラムのオマー・ハキム、ファレル・ウィリアムスなど豪華メンバーが協力して作られたのがこの作品だ。Daft Punkは「時代から切り離されたカプセルのような感じにしたかった」と述べているが、その発想とあらゆるテクニック自体が素晴らしいものである。
この「ランダム・アクセス・メモリーズ」は発売前に収録曲のひとつを先行リリースとして発表している。それがファレル・ウィリアムスをボーカルにした「Get Lucky」である。これもあらゆる音楽チャートで1位を独占したおすすめの名曲だ。この勢いに乗るかのように発売された「ランダム・アクセス・メモリーズ」がヒットするのも当然だったといえるだろう。しかしDaft Punkの伝説はこれで終わらなかった。2014年グラミー賞授賞式がDaft Punk最大の事件ではないだろうか。グラミー賞で演奏ということだけでも素晴らしいことなのに、「ランダム・アクセス・メモリーズ」で参加したアーティストたちがそのセッションに参加したのだ。しかもここでスティービー・ワンダーが飛び入りで参戦。レジェンドの突然の参加にさすがにDaft Punkふたちも驚いたことだろう。それほど「ランダム・アクセス・メモリーズ」は愛されるアルバムとなった。もちろんおすすめアルバムとして紹介できる。
Daft Punkの才能はコラボレーション音楽提供や映画、ビジュアル面でも発揮されている。しかしファンは彼らふたりの音楽作品をいまだ待ち続けているだろう。どうか長い期間を見据えて待ち続けてほしい。なにせ「ランダム・アクセス・メモリーズ」は前のアルバムから8年も経過したあとにリリースされた。天啓はそう簡単に降りるものではないのだ。
最後にスタッフとしてのおすすめ! この曲を聞いといて締めてみよう。
Photo:https://www.grammy.com/grammys/artists/daft-punk
Written by 編集部