Avicii 新アルバム"Stories" 全曲解説 by TJO & qlius

Avicii 新アルバム"Stories" 全曲解説 by TJO & qlius
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2015.10.16 21:30

Written by Takeru John Otoguro , qlius (from EDM Space)


前回の「Alesso - Forever 全曲解説 by TJO , qlius」が好評だったので"全曲解説"企画の第2弾をお届け。今回は10/2にリリースされたAviciiの2年ぶりの新作「Story」をレビュー。




“すべての曲には伝えたいストーリーがある”というテーマみたいです。はい、既に一流感が。Takeru John Otoguro (以下 TJO):この流れ毎回あるの?(笑)、そう、たしかに彼の作品はダンスミュージックでは軽視されがちなソングライティングの面もかなり充実してるよね!かなり前のインタビューでも「楽曲で一番大事なのはメロディ」っていうマインドを明らかにしてた。qlius:彼は昨年のアルバムのリリースから、病気でツアーをキャンセルしたり、ネズミのあの人と衝突したりして、かなり苦労した時期だと思うけど、彼の魂がこもったアルバムとして期待ですね!TJO:そうだね、それでは早速全曲解説にいきましょう!▷Tracklist

1. Waiting For Loveqlius:1曲目は「Waiting For Love」この曲は恥ずかしながらリリックビデオでホロリと泣いてしまいました(笑)TJO:うんうん、犬が戦争に行った飼い主を追いかけるとか反則でしょ! 俺その組み合わせって聞いて絶対泣くから未だに見てない (笑)qlius:この曲はProducerの欄に”Martijn Garritsen” (Martin Garrixの本名)が入っているのも注目ポイント!



2. Talk To Myself

TJO:前作の「Lay Me Down」を彷彿とさせるディスコ路線で俺は大好き、さらに音色もTropical House調にアップデートされてるね。qlius:前回のアルバムをリリースした時(2013年)のトレンドだと、こういうアプローチは出来なかったですよね。TJO:このアルバムでは、彼はブレずに自分のスタイルを守りつつ最新のサウンドでアプローチしている楽曲があって考えてるなーと。


3. Touch Me

TJO:このドロップのリフ「Syn Cole - Miami82」にめちゃくちゃ似てるや~ん!(笑)qlius:うわ〜言っちゃった! ジョンさんダメですw↓やり直し↓TJO:Aviciiのレーベルからリリースした「Syn Cole - Miami82」を彷彿とさせるリフがかっこいいね。なんだかんだこのシンセの音好きなのよ。qlius:EDMっていうシンプルな縦ノリの音楽の中で、こういう曲でもアプローチもできる彼にさすがの一言です!


4. Ten More Days

TJO:なんだこの哀愁…!あれ、もうアルバム終わりじゃないよね?qlius:まだ4曲目、序盤ですね(笑)TJO:アルバムの中で一番スローテンポでかつアナログな曲だねqlius:Aviciiのファンで、高校生とかの人もいると思うんだけど。コレ聴いたら早くも人生の酸いも甘いもを学んでしまう恐れが…


5. For A Better Day

TJO:Aviciiの真骨頂来たぜ!!彼の楽曲の中でもカントリー調のものは彼らしさを特に感じるよね。qlius:そうですね〜、この曲の”KSHMR Remix”もカントリーの質感を上手く掴みながら、よりダンサブルに仕上げてあって最高です。TJO:あれもめちゃくちゃ良いよね、ていうかビートで終わらないで歌で〆るのさらに哀愁増すね(笑)



6. Broken Arrows

TJO:彼の代表曲「Wake Me Up」後継ともいえる路線なんだけど、よりカントリー面に筋が入ってる。実際歌っている「Zac Brown」はカントリーの枠を超えて活躍するアーティストなんだけどそういうメンツも含めて今回チームを固めてるのはすごいね。彼はそのうちカントリーの流れまで変えてしまったりして。


7. True Believer

TJO:へーこれChiris Martin (Coldplay)参加してるんだ。コーラスと作曲で参加してるみたいだね。qlius:コーラスって、使い方が豪華ですね(笑) Tropical Houseの様なソフトさもありながらドロップはきちんとアゲてきていて絶妙なバランス。


8. City Lights

qlius:ガッツリEDMは一曲も無し!?って思っていたファンはココで一安心、世間が俗にいうEDMらしさはこの曲がダントツかと。TJO:子守唄の様なブレイクも気持ち良いね~でっかいフェスで聴いたら感動的なんだろうな~、曲の尺も6分越えでアルバムの中で一番長いんだけど聞き入っちゃうポイントだよね。qlius:アルバムの中でもここを差かえ目に一区切りできるようなタイミングだと思います。


9. Pure Grinding

TJO:おっ、ロービートもの来た!! すごく今っぽいHIP HOP!!qlius:Aviciiの解釈だとこういうHIP HOPになるんですね、ボーカリストの声質でDavid GuettaのHey Mamaにも通ずるものを感じます!TJO:Avicii , David Guettaの二人がやったらトレンドの1つになりかねないよね。



10. Sunset Jesus

TJO:今作は、前作のアルバム以上にポップス寄りにアプローチしていっていると思うんだけど、この曲が俺的には一番ポップスとしてしっくりきたなぁ。しかもドロップは高揚感あるダンスミュージックで、落とすとこちゃんと落とすなと。


11. Can't Catch Me

TJO:おっレゲエですかAviciiさん。qlius:親戚の人みたいなノリですね(笑)。少し前の彼だとレゲエ調の楽曲に挑戦するなんて想像もできなかったですよね。TJO:これはレゲエミュージシャン”Matisyahu”と”Wyclef Jean (Fugees)”と組んだ作品で、Wyclef Jean とは、2014 FIFA ワールドカップ公式アンセム「Dar um Jeito (We Will Find a Way)」や、コカ・コーラのAIDS撲滅啓蒙を目的としたREDキャンペーン・ソング「Divine Sorrow」でも何度も共演してるから相性もバッチリだね。


12. Somewhere In Stockholm

TJO:ヴァースのボーカルの譜割りが面白いね。セクシーで好きだな。qlius:そうですね、しかもオーケストラが壮大で、このまま学校の校歌にできちゃいそうな感じも。TJO:どんな学校よそれ(笑) この曲の作曲家はGalantisの曲とかも書いてる人なんだけど、ロック的なフックが力強くて印象的だよね。リミックスとか出たらフェスでハマりそう。


13. Trouble

qlius:イントロからギターのカッティングが心地いいな〜アルバムの後ろにこんなに良い曲を持ってくるなんて憎いね!TJO:車で聴きたいね!Aviciiが今後ダンスミュージックを全くやっていかなくなるんじゃないの?なんて思ってしまう楽曲。


14. Gonna Love Ya

TJO:前の曲に引き続いて、Aviciiの良い意味でのダンスミュージック離れを痛快させる楽曲。最後の2曲にこの流れ持っていかれたら次のアルバムがどうなるか楽しみだよね。qlius:気が早いですね(笑)。でもこの曲も週末や休日に聴いたらピッタリなゆったり感ですね。逆に月曜日や平日に聴いたら「とてもつらい」(笑)


15. The Days/16. The Nights

TJO:アルバムはここで終わりだけど、日本盤には大ヒットを記録した「The Nights」「The Days」のボーナストラック2曲が入ってるのは嬉しい心遣いだよね!俺もクラブの現場で聴きまくった。qlius:「The Nights」は彼の最近の楽曲の中でも特にかなり煌びやかでエネルギッシュ、ジョンさんの言う通りクラブでも映えるチューンです。「The Days」はこのアルバムの他の楽曲にはない清涼感があって際立ってますね。お得感を感じる「まさにボーナス」な内容、CDを買うなら迷わず日本盤をオススメします…!


●まとめ

TJO:俺は去年出たDavid Guettaのアルバム「Listen」とリンクする部分を感じたな。今までやってきたスタンダードなEDMの殻を破ろうとしている彼の動きが色濃くでているアルバムだね。qlius:前作「True」よりも更に生楽器をフィーチャーした作品に溢れ、テンポの幅も凝り固まらずに様々なアプローチで攻めているのでかなり聞き応えがあります、EDMのフォーマット化に警鐘を鳴らしているアーティストもいますが、そんな心配は彼には無用!来年に延期された来日公演の期待値も半端じゃないのでこちらも待ち遠しいですね!!


前作「Alesso 新アルバム"Forever" 全曲解説 by TJO & qlius」もお見逃し無く


●リリース情報
フォーマット:CD品番:UICO-9070組み枚数:1レーベル:Universal Music発売元:ユニバーサルミュージック合同会社CDでの購入はこちら:UNIVERSAL MUSIC STORE●iTunesでの購入はこちら●「アヴィーチー」ユニバーサル ミュージック ジャパン公式サイトhttp://www.universal-music.co.jp/avicii
♢Avicii - Stories1. Waiting For Love/ウェイティング・フォー・ラヴ
2. Talk To Myself/トーク・トゥ・マイセルフ
3. Touch Me/タッチ・ミー
4. Ten More Days/テン・モア・デイズ
5. For A Better Day/フォー・ア・ベター・デイ

6. Broken Arrows/ブロークン・アローズ
7. True Believer/トゥルー・ビリーバー
8. City Lights/シティ・ライツ
9. Pure Grinding/ピュア・グラインディング
10. Sunset Jesus/サンセット・ジーザス
11. Can't Catch Me/キャント・キャッチ・ミー

12. Somewhere In Stockholm/サムウェア・イン・ストックホルム
13. Trouble/トラブル
14. Gonna Love Ya/ゴナ・ラヴ・ヤ
●日本版ボーナストラック15 The Nights/ザ・ナイツ
16 The Days/ザ・デイズ
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