ノルウェーをベースに活動するAlan Walkerは、Youtubeでリリースした「Fade」が大ヒットになり世界中を震撼させ、大物DJがこぞってプレイするほどシーンを席巻した。後にノルウェー人ヴォーカルを加えた「Faded」は怪物級で、YOUTUBE再生回数は2018年で16億回を超えている。
Alan Walkerは1997年イギリスのノーサンプトンで、ノルウェー人の母親とイギリス人の父親のもとに生まれた。2歳でノルウェーのベルゲンに引っ越してからは、今に至るまで住んでいる。デジタル世代で生まれた彼は子供の頃からパソコンに興味を示し、プログラミングやグラフィックデザインに興味を持つ。そして2012年にオンラインゲーム仲間の力を借りながらパソコンで初めて楽曲を製作すると、ヒットした。Alan Walkerは正式にイギリスのレコード・レーベルのNoCopyrightSoundと契約し、YouTube経由で「Fade」という曲をリリース。「Fade」は瞬間的に世界中に拡散し、世界中のクラブシーンと音楽ファンを興奮と歓喜の渦に包み込んだ。あまりも素晴らしいサウンドに惚れ込んだ超大物DJ達は、こぞってリミックスしていき、EDM界の全体を動かすほどの大きなムーヴメントとなった。
2015年にノルウェー人女性ヴォーカル、イセリン・ソルヘイムを加えたリマスター・ヴァージョンの「Faded」は、ノルウェーやスウェーデンのチャートだけでなく、他の北欧諸国、アメリカ、イギリスを含むヨーロッパなど世界中のチャートでトップ10にランクインした。Youtube再生回数は、2018年4月時点で再生回数16億回を超えている。「Fade」をベースとした「Faded」は、それまでに聴いてきた音楽とは全く違う、常識破りの音楽だった。寂寥感のある美しい旋律、暗闇の中で囁くような切なくも柔らかく美しい歌声、圧倒的なスケールで表現される世界観と深遠なリリック。それを10代の少年が生み出したという奇跡のような楽曲であり、Alan Walkerが天才的DJという称号を手にした。「Faded」の空前の大ヒットによりAlan Walkerは大学を中退し、プロデュースに専念することにした。
Alan Walkerは他の曲も素晴らしく、「Hope」はタイトル通りに希望に溢れたサウンドで、映画で流れるサウンドトラックのような楽曲で、美しさと激しさが同居したドラマチックなサウンドで、聴いていると壮大な世界に誘われるようだ。
2015年の「Spectre」は彼の代表作の一つになった。跳ね上がるような高音のメロディーがダンサンブルで、世界中のクラブやフェスで流された。
2016年の「Routine」は、Alan Walkerが音楽の道に進んだキッカケになったプロデューサー、David Whistleとのコラボレーションを果たしている。近未来的で美しくドラマチックなサウンドで、遊び心のある音を使いながらも、Alan Walkerならではのドープな世界観が表現されている。
2017年には「Tired」をリリースしている。アイルランドシンガーGavin Jamesの男らしくも美しい歌声と、暗く静かなスローテンポから次第にテンションが上がっていく音の過程が、爽快でポジティブな世界観を表現していて気持ちの良い曲だ。
Alan Walkerは「Fade」と「Faded」で創り上げた圧倒的な存在感のある超一流の楽曲と、彼のトレードマークであるパーカーとマスクで、カリスマ性のある天才的DJとしてメジャーからコアなファンまで幅広く世界中から人気を集めている。何を生み出すか分からない匿名的なイメージがより一層Alan Walkerの魅力を引き立てている。Alan Walkerは北欧とデジタル世代が生み出した、現代EDMシーンに欠かすことのできない、そして新曲を絶対に見逃すことのできない、若手DJの中でも最重要人物といえるだろう。
Photo:https://www.facebook.com/pg/alanwalkermusic/photos
Written by 編集部